ベルリンのITスタートアップで働くジャバ・ザ・ハットリの日記

日本→シンガポール→ベルリンへと流れ着いたソフトウェアエンジニアのブログ

エンジニア、デザイナー、プロジェクトマネージャー、それぞれの視点

視点というのはそれぞれ職種に応じてまったく異なる。
なんだかんだ言ってエンジニア、デザイナー、プロジェクトマネージャーは仲がいい。モノを作る仕事に携わる人同士で考え方なんかが重なる部分があり、気が合うのだろう。ただそれぞれの視点は大きく異り、それらを可視化するとこうなる。

エンジニア視点から見た場合

エンジニア(自分自身)
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デザイナー
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プロジェクトマネージャー
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デザイナー視点から見た場合

デザイナー(自分自身)
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エンジニア
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プロジェクトマネージャー
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プロジェクトマネージャー視点から見た場合

プロジェクトマネージャー(自分自身)
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エンジニア
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デザイナー
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 真面目くさって「人材マネージメントというものはダネー。。。」なんて言ってる人は上記の視点の違いが本当に分かっているのだろうか。

アドラーに学ぶ職場コミュニケーションの心理学

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【読者質問 13】リモートワークできる海外の転職先

ご質問ありがとうございます!!今回はRuby界でとても有名な伊藤さんからのご質問。あー素直に嬉しい。ご存知ない方のためにカンタンに伊藤さんを説明すると、QuiitaなんかのContributions数がスーパーサイヤ人の戦闘能力みたいになってるスゴい人。あー嬉しい。
ではご質問から。

海外に移住せずに、リモートワークできる海外の転職先を探す、というのはどう思われますか?
移住する場合よりも転職に苦労するよ、とか、転職した後が大変だと思うよ、とか、日本からリモートで働くとこういうメリットがあるだろうね、等々。
わかる範囲でいいので教えていただけると幸いです。

伊藤さんは「今のところ転職の意思はない」とのことだったが、読者の方でもし「移住せずにリモートで海外の会社で働いたらどうかな?」とお考えの方が居れば、そうした方達に向けて回答を書く。要点だけまとめると次の3点になる。

  1. 転職活動自体には特別の苦労は無い
  2. 転職した後の英語圏の労働環境を理解するのが難しいかもしれない
  3. 転職する会社の見極めはとても重要。なんちゃってリモートワークの会社は危険


1)転職活動自体には特別の苦労は無い

海外への転職活動に苦労するかどうかの違いはそれぞれの候補者のスキルと慣れによる。入社後はリモートワークを前提とするからと言って、特別に苦労が付加されることは無い。海外転職の場合は特に誰でもその選考は全てスカイプなんかを使ったリモートで行う。今の勤め先であるベルリンのITスタートアップへ転職する際の面談も全てスカイプだった。
この点に関して言えば普段からリモートで繋いだモニター越しにコードレビューや会議を行い慣れているリモートワーカーの方がむしろ有利かもしれない。
英語圏のエンジニア職は日本よりも数倍給料がいい傾向にあるので、リモートで海外のIT会社に参加するのはとてもいい選択肢だと思った。ブログにたくさん海外転職のことを書いておきながら、ご質問をいただくまでこんなアイデアは思いつかなかった。。。

2)転職した後に英語圏の労働環境を理解するのが難しいかもしれない

少なくとも私の場合は日本から海外の労働環境に変わった際にしばらくは慣れなかった。突然にシンガポールへ移住し、日本とはなんの関係も無い、社内にも日本人がまったく居ないアメリカ系のIT会社に転職した。そこには日本の労働習慣みたいなモノは一切無かった。何もかもが分からなくて、毎日ストレスを感じていた。「なにが分からなかったのか?」と聞かれても、本当に些細なことばかり。

初日にどうやって英語で自己紹介すればいいのか、どんな役職の人であっても全員をファーストネームで呼ぶってどういうことなのか、隣の席の同僚に呼びかける時の最初の一声はなんと言うべきか、休みってどんな風に取るのか、腹立つことがあった時にどれぐらいのテンションの英語で話すべきか、どうやって同僚と仲良くなればいいのか、そもそも仲良くなっといた方がいいのか、とかだ。こんなちょっとしたことでも分からないと、仕事においてもひとつひとつの行動がなんかぎこちなくなってしまう。
お恥ずかしい話だがそのアメリカ系の会社でノリの違いから私だけ妙に浮いていたことだけは分かっている。決していい意味ではない。単に「よー分からんおかしな日本の労働習慣をひきずった変な奴」だった。そういう変に浮いている状態は仕事にも影響して「果たしてこの変な日本人に任せてOkなのか?」の疑念はあの時、誰もが感じていたようだった。

勘がいい人なら、その辺りは要領良く理解して、スッと馴染めるのかもしれないが私には無理だった。なんとか克服したのは毎日オフィスに通って、周りの同僚達の様子をじっくり観察することができたからだ。もしあれが限られた画面の中からだけしか同僚の様子が伺えないリモートワークの状態だったら、英語圏の職場のノリがずっと分からないままだったかもしれない。


3)転職する会社の見極めはとても重要。なんちゃってリモートワークの会社は危険

ベルリンで他のスタートアップの人達と話した際にこの質問の回答の足しにしようとリモートワークの話題をふったことがある。するとだいたいが「おお。もちろんウチもやってるぜ!」と言って「リモートワークも取り入れてるイケてる会社アピール」を感じる発言が多かった。

そういうイケてるアピールをして「リモートワーク実施中」「リモートワーカー募集」とか言っててもなんちゃってリモートワーク実施中な会社に入ってしまうと、ちょっと苦労するかもしれない。というのも今の私の勤め先がまさにその「なんちゃって」だと思うからだ。
開発において外部に委託している箇所が3つほどあり、委託業者は全てリモートで参加している。開発委託会社は3社でそれぞれロシア、アイルランド、ポーランドにある。毎朝10分ぐらいのミーティングがあって、私を含む自社の開発メンバー5人とそれぞれ3社の委託会社のリーダーがモニター画面に並んで映って、みんなで話す。それぞれのメンバーが1分ぐらい進捗報告をするだけの軽いミーティングだ。テクノロジーの進化で遠隔地から会議に参加してもほぼ支障は無くなっているのを毎朝感じている。ただ問題となるのはそうしたコミュニケーションではなく、仕事内容の方だ。
大雑把に言えば今の開発体制は事業のコアになってリスクを背負った開発が必要な部分を自社の開発部隊に、その他の誰がやっても同じ結果が出そうな部分を外部の委託業者に発注している。そうするとどうしてもメンバーの意識として「リモートの場合は主要部分の開発をしない人」となってしまう。
職場の同僚とリモートワークについて話していて問題だな、と思ったのは各メンバーの意識にオフィス勤務者とリモートワーカーの間にそうした差を作っていることを感じたからだ。ただこれはまだまだ本格的なリモートワークに慣れていない会社だからだ。

世の中にはイケてるリモートワークを行う会社が増えてきているのは事実。Rails界隈では有名なBasecamp社(旧 37signals)もそのひとつ。超デキる人材だけの少人数チームがモットーの同社にしては珍しく、数ヶ月前に人材募集をしていた。で、入社が決まったことでDHHがブログで新メンバーの紹介をしていたのだが「ブラジルのリオ・デ・ジャネイロからリモートで参加ぁー」「スペインのマドリードからリモートで参加ぁー」とかが続いて、カッコいいなーと思ってしまった。
どう見てもBasecamp社のようなところで「アイツはリモートだからコアの開発じゃなくて、この辺を任せとけばいいだろ」なんてなる訳がない。

Five fresh faces at Basecamp for 2017 – Signal v. Noise

リモートワーカーが多いのはアメリカだとコロラド、イギリスだとエジンバラ辺りにたくさん居る。どちらもそこまでの大都市でなく、美しくゆったりした街なんかで仕事に集中できるのが理由だろう。

このサイトにはそんなリモートワークを実施している名だたる100社が掲載されている。
100 Remote Companies Hiring Right Now - Outsite

先日ベルリンのマイクロソフトでMicrosoft HoloLensを試してきた。HoloLensの体験は衝撃的でしばらくはHoloLensのことが頭から離れなかった。HoloLensが進化すれば人に直接会うこととヴァーチャルで会うことの差をほぼ無しにしてしまえる。そうなったら未来ではリモートワーカーが普通の働き方で「え?あなたってオフィスに集まった人達と仕事してるの?珍しい人ねー」となるだろう。

www.youtube.com

以上がリモートワークができる海外の転職先に関しての回答でした。


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『多動日記(一)「健康と平和」: -欧州編』(著:高城剛)書評

高城剛の多動日記がやたらに面白かったので書評を書いた。

Kindle Paperwhiteで読む時はだいたい気になった箇所を指でなぞってハイライトを入れるのだが、たった1冊の本でこんなにたくさんのハイライトを入れた本はあまりない。以下がハイライトを入れた箇所。

「なんで、そんなに旅行に行くのか?」と聞かれることもあるが、面倒くさいので「仕事」だの「遊んでるだけ」など、その場に応じたり応じなかったりして答えているが、逆に聞きたい。「いったい、なぜ、同じ場所にいるのか?」と。

程度の差こそあれ、移動しまくれば同じ場所に居続けることはちょっと変だな、と思うようになる。
 

米国の科学者デイブ・ホイットロックは、服を着ると同時にシャワーを浴びる方法を編み出した。簡単に言えば、僕らが知っているシャワーではなく、博士が開発した「マザー・ダート・ミスト」と呼ばれるミストを頭に振り掛ければよいだけだ。このミストを使って、件の科学者は、もう12年間もシャワーを浴びてないそうだ。  僕もこの記事を機内で偶然目にした雑誌で読み、早速コンタクトをとって、ベータテスターを申し出た。

この高城氏の機内でなにかピンを来るモノを読んだら即その人にコンタクトを取って会う、という強烈な行動力。見習いたい。
 

シリコンバレーの多動な人々は、日に何本もコーラを飲むのが特徴で、一応ライトやダイエットタイプだが、オフォスにある冷蔵庫からコーラを頻繁に取り出し、常に飲んでいるのを見かける。

英語圏のITスタートアップで働きだして、オフィスに常備されている社員用コーラの飲む量が尋常ではないのにちょっとびっくりする。特にアメリカン。「そんなに飲んだら体に悪いぞ」とついつい言ってしまう。
 

わずか10リットルのバックパックだけで、世界をまわっている。まるで、品川から新宿に行くように、今日はチューリッヒからサルデニアへと向かっている。軽装だと、結果的に(気分的に)ワンストップの滞在時間は短くなって、毎日毎日移動している。「そんな生活をして疲れないか」と聞かれることもあるが、たいした荷物もなくて、ある日品川から新宿に行き、翌日に新宿から吉祥寺に行っても疲れないか、と聞く人はいないだろう。

旅行の荷物は軽装に限る。ヨーロッパでは旅行者をよく見かけるがでっかいスーツケースを転がした重装備の人が少なくなっている気がする。
 

江戸時代なら違う。日本橋から新宿に向かうことは大変な旅路で、新宿はその名の通り、ひとつめの宿場町だった。そこから武蔵の国である吉祥寺に行くことは、当時は国境を越えると言われていた。僕がある日、イスタンブールからロンドンへ移動し、翌日ロンドンからベルリンへと向かうことが大変だろうな、とお感じだったら、その移動に関する考え方は、江戸時代的旅思考なのかもしれない。

国境を超える旅行が本当に手軽になったな、と感じずにはいられない。
 

この原稿を、コルシカ島からトゥーロン行きのフェリーのコンパートメントで書いている。
2時間前に空港に行き、年々厳しくなるセキュリティチェックや手荷物の重量の件で揉めて、毎回嫌な思いをする飛行機より、ギリギリに港に行って、なんの検査もなく飛び乗る船旅は心地よい。ちょっとした大型船であれば数十ドルで個室が借りられる上に、電源もwifiもある素晴らしい空間も魅力だ。

これは私もシンガポールに住んでいた際に思ったこと。シンガポールは港街(国?)であることから大型の船による船旅がたくさんある。船にはプールなんかも付いていて、そんな船でゆっくり旅行するのが心地いいのだ。
 

(キルギスにて)
首都ビシュケクに行く際に、BPのガソリンスタンドがあるのを見て、「イギリスは中央アジアにも入り込んでいるだね」と迎えの人に話したら、「あれは、ブリティッシュペトロールじゃなくて、ビシュケクペトロールだよ」とご丁寧にも教えてくれて、しかし、ロゴも似ている上にカラーもブリティッシュペトロールと同じことから、この旅は普通ではない予感が漂った。

高城氏のように旅慣れた人なら、ちょっとしたガソリンスタンドでもここまで分析できるのか、と。
 

また、マクドナルドがあるかどうかは、アメリカとの距離感も意味している。キルギスもそうだし、キューバにもマクドナルドがないのはモチロン、最近ウクライナ情勢でアメリカと揉めているロシアのマクドナルドは、事実上営業停止に追い込まれた。

ベルリンも意外なほどマクドナルドが少ない。
 

グローバリゼーションの最大の問題は、フラット化するとともに比例する、あたらしい民族大移動にある。それは、富が移動し偏重するからで、人はそれを追いかけるように移動する。

ベルリンに居るともう民族大移動はとうの昔から始まっていることを実感する。
 

世界中の発泡水を飲んだと自負している僕のお気に入りは、スペインの「ヴィッチーカタラン」、グルジアの「ボルジョミ」だが、その次にコルシカの「オレッツァ」を入れても良い。

ヨーロッパには美味い発泡水がいろいろあって、飲み比べるのが楽しい。
 

(現代社会の依存について)
安い快楽や便利に溺れる日々を送ることになっていくのだ。精製された砂糖たっぷりの間食やB級グルメ、そして仲間との盛り上がりが安定剤として機能し、自分を取り戻すことがどんどんできなくなっていく。そんなどうしようもなくなった時に、僕はひとりで旅に出ることを、あらゆる人たちに強く勧めてきた。

旅の効果っていろいろある。
 

情報革命はすでに終わり、これから移動革命の時代に本格的に突入する。同時に、ひとつの場所にとどまり、同じ仕事を続けるのはロボットおよびロボットのような人の仕事になるだろう。

今はそれなりに華やかに見えるソフトウェアエンジニア職も移動革命の時代において同じことばっかりしていたら、安泰とは言えない。
 

ちなみにこの原稿はアテネの空港で乗り換え時間に書いているが、ベンチに電源コンセントがついているのは実に画期的だ。フリーWi-Fiが飛ぶ空港は多いが、各ベンチに電源コンセントを装備している空港は、まだ少ない。

シンガポールのチャンギ空港はフル装備。空港内でしばらく暮らしてエンタメまで楽しめるレベル。サイコー。
 

ザキントスの絶景は、そのまま宮崎アニメに出てくるが、果たしてこの光景を実際に見て描いたのか、そうでないのか気になる人もいるのだろうが、風景には著作権がないので、パクリではない。難破した船をそのまま置いて、観光資源に。日本だったら、難破船などすぐに片付けるだろうが、日本の地下水脈からはじまったアニメは、それを描いて大金を稼いだ。

ここ今度行く。
 

テレビではオーストラリア政府が優秀なギリシャ人の移住を歓迎するCMが流れ、国家や地域、なにより、そこに暮らす友人たちに依存していない人たちは、真っ先に混乱を脱した。それは1%だったはずの地場の金持ちではなく、いわゆるインディペンデントな人々だった。

これからの時代を生き抜くために必要なのはカネではなくインディペンデントであるためのスキル。
 

かつての日本であれば終身雇用であり、家を持つことが幸せであるという刷り込みを前提にした高額な住宅ローン、そしてマイナンバー制度に至るまで、人々を「ソフトに固定」することに、いまも体制は余念がない。

案外、人は気付かない間に固定されてしまいがち。
 

国家がゆっくりと破綻に向かうと、そっと距離を置くのは、まずは技術者や文化人である。

私の周りで気軽に国境を飛び越えるのは全員が技術者。
 

イタリアは、この5年で経済だけではなく、あっとう間に魅力がない国へと転落してしまったのだ。

先月、行ってきた。今でも楽しい国だとは思うが景気は悪そうだった。
 

街角に立つドラッグ・ディーラーは、手ぶらが基本だ。その理由は簡単で、警察に突然身体検査をされても、なにも出てこないからだ。

なんで高城氏はこんなことまで詳しいのだろう。
 

このカレー屋に行くのにチョットした覚悟が必要なのは、常にこの店を秘密警察がウォッチしているからだ。それに気がついたのは、数度通ったあと、ある日店から出てきてしばらく歩いていると、突然3人に囲まれて尋問されたからだった。  確かに僕は見方によっては、中東や西アジアからの移住者に見える。その時にわかったことは、彼らが秘密警察であること、僕がいままでもその店に数度訪れたことを知っていたこと、そしてあの店が言われるように普通の店ではないことだった。  映画ではないので大きな展開はなく、この話はここまでだが、僕はIDカードに記載されている外国人登録ナンバーから日本人であることが証明され、難を逃れた。そして映画ではないが、秘密警察のひとりは驚くほどの美人だった。

このエピソードめちゃ面白い。
 

(日本について)
いまだに社会主義の東欧諸国やホーチミンの国内線ターミナルと福岡空港あたりはよく似ていて、「この国は社会主義だっけ?」と、毎度のように感じている。まるで建物に「贅沢は敵だ!」と書いてあるように天井は低い。

確かに日本の景観には大きか改善の余地がある、と思っていたが高城氏の見解は単なる建築デザインにとどまらずそこに暮らす人の思想にまで及ぶ。
 

国際競争力で上位だ、と勝ち誇ったように言われているシンガポールを見れば、よくわかる。アメリカの美味しいところどりして、不味いところにはけっして手を出さない。

おっしゃる通り。
 

(ベルリンのクロイツベルクについて)
一般的にはトルコ人を中心とする移民街として知られるが、80年代のダウンタウン・ニューヨークのようなカオスがあり、エッジな店も増え、いまベルリンでもっとも面白いエリアだと思う。そう言えば、緑の党、カオス・コンピュータ・クラブ、ベルリンテクノはここから生まれ、世界を席巻している音楽ソフトのいくつもが、この地域から登場している。

あの地区を紹介する旅行ガイドブックはきっと無い。この本以外は。

こうして部分的につなぎ合わせて読んでも面白いことには変わらない。が、この本の本当のエッセンスは全体を通して読まなければ掴めないと思う。高城氏のような移動しまくる人が各地で得た見識を次々に披露して、そこに考察を加えるというスタイルから得られるのは単に「**という国に**がありました」では終わらない。私にとって本書は旅行ガイドブックなんかではなく、むしろ哲学書に近い。
高城氏の本はぶっちゃけ当たりハズレがある。それも見事にホームランか空振り三振のどちらかだ。高城氏に中途半端な内野安打は無い。本書はまちがいなく場外ホームランの本と言える。とにかくおすすめです。

Kindleで読むと指でハイライトを入れた箇所がクラウドで共有される。書評をブログなんかに書く人なら、紙の本で読むよりだんぜん書評が書きやすい。

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