ベルリンのITスタートアップで働くジャバ・ザ・ハットリの日記

日本→シンガポール→ベルリンへと流れ着いたソフトウェアエンジニアのブログ

子供を連れて海外移住する時に最も気をつけるべきこと

移転しました。

「実は家族でシンガポールに引っ越しすることにしまして。。。」と周りの人に報告した時に最も言われたのが「子供はどうなるの?」だった。

当時、小学校に行き始めたばかりと幼稚園児だった2人の娘の心配をしてのことだった。もし日本の大企業からの転勤命令などで本人の意思とは関係なく、行かされる感でもあればもっと言いようがあったと思う。ただ私の場合は勝手に好き好んで日本人が居ない、外国の会社で唐突に「家族と一緒に行ってみる。その先はどうなるか知らん」だったから説明に苦労した。「なんでそこまでして子供をキケンにさらして行くの?」と質問された。

「どこの小学校に行くの?」「友達はいるの?」「英語ができなくてイジめられたらどうするの?」となんでもかんでも私と妻に聞いてきたが、私達だって当時はどっぷり日本で生活している日本人。そんな質問に答えられる訳がない。

答えは常に「その点については分かりません。行ってから対応するしかないですねー」と言うとますます居心地の悪い空気になったことを覚えている。

今では子供もシンガポールの地元の学校で英語、中国語、日本語を勉強し、それなりにキビしいと言われるシンガポールの勉強もこなして育っている。過去をふりかえって、海外生活のことを知らなかった当時のウブな私達に忠告できることがあるとすれば子供への心配事だ。

子供を連れて海外移住する時に最も気をつけるべきこと、それは子供のことではなく、親であるあなた自身のことですよ、と。

それが海外であれどこであれ子供の適応能力は遥かに大人を凌駕する。先日、家のコンドの公園のベンチで座っていると子供がいつも遊んでいるお子様集団でわーっと公園に入ってきた。総勢10人ぐらい。ウチの娘は父親がそこのベンチに座っていることに気づいていなかった。その10人の中に日本人はウチの娘だけで、他はいかにもシンガポールらしく多種多様な人種が入り乱れていた。英語もアメリカ語からシンガポール訛り、インド訛り様々な英語が聞こえてくる。その中で自然に英語を話し、笑いながら遊んでいる子供を見て、私自身は職場であれほど自然に振る舞えていないことを感じた。

大人の私は今でも職場の同僚と接する際に英語や振る舞いに関して、ぎこちなさを感じているが、きっと子供は感じていない。呼吸をするように国際的な環境に違和感なく過ごしている。

いったい日本を発つ時はなぜ子供の心配なんてしていたのだ。子供の適応能力をあなどってはいけない。彼らは新しい環境に適応する天才だ。
子供にはサポートが必要って?。どう見てもサポートが必要なのはむしろ大人の私と妻の方だ。天才の心配なんてしているヒマがあれば、もっと自分自身の海外生活のサバイバル方法を気にした方がいい。子供と一緒に海外で暮らすようになると国際社会に溶け込み日に日に完璧なバイリンガルになっていく子供とそうはなかなかならない大人の自分との差に愕然としていくのだから。

海外生活の達人たち: 世界40か国の人と暮らし

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