ベルリンのITスタートアップで働くジャバ・ザ・ハットリの日記

日本→シンガポール→ベルリンへと流れ着いたソフトウェアエンジニアのブログ

英語圏のエンジニア達はカッコいいことばっかり言ってるのか、という疑問

IT業界で一躍有名になったその青年は彼が作った会社を彼に代わって舵取りをしてもらうためのCEO候補を探していた。ある経験豊富なCEO候補に白羽の矢が立ち18ヶ月にわたって口説いていたが、なかなかそのCEO候補は首を縦に振らなかった。そのCEO候補は現行の仕事に十分満足していたし、その青年が作った会社はまだ歴史が浅く、リスクをかけて飛び込む必要はないと考えていたのだ。青年はニューヨークにあるCEO候補の自宅で話をしていた際にその後、何十年経っても語り継がれる決定的なセリフを残す。

このまま一生砂糖水を売り続けたいのか、それとも私と一緒に世界を変えたいのか、と。

スティーブ・ジョブズがジョン・スカリーを口説いた際の有名なセリフのあれ。はじめてこの話を聞いた時、「シリコンバレーに行ったらこんな奴ばっかりなのか?」「英語圏のエンジニアはみんな世界を変えようという意気込みで働いてるのか???」と疑問を持った。

で、シンガポールのスタートアップで働きはじめた。少なくともシンガポールのスタートアップ界隈では、その感想は半分当たっていて半分はずれ、という感じだ。スタートアップとそれらの会社が集まる周辺には新しい製品や企画にあふれていて、イベントなんかで目にすると「おーこれは!」と思ってしまう。ただそれを表立ってジョブズのようにかっこよく「世界を変えるぜ」とか言う人はあまり居ない。

職場に居るアメリカンな人でちょっと普段から表現が大げさな人も居るがそこまでかっこよく「世界を変える」とか言ってるのは聞いたことがない。誰にでも日々の生活があって、勤め人の場合はとくに月給が必要。創業者にしても崇高な理念とは別に日々の運転資金が大切。現実と理想の狭間でみんななんとかやりくりしているのだ。

ただ比較すると安定した大企業や旧態依然とした組織に比べれば、スタートアップ界隈には遥かに「世界を変える」雰囲気に満ちているのは確か。そこまでカッコよくなくても「なんか面白いことやってやるぞ」の雰囲気は多いにある。
ここまで書いて思ったが、これは英語圏のスタートアップに限らず、日本のスタートアップについても言えることだろう。

スティーブ・ジョブズ(1) (Kissコミックス)

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