ベルリンのITスタートアップで働くジャバ・ザ・ハットリの日記

日本→シンガポール→ベルリンへと流れ着いたソフトウェアエンジニアのブログ

「ウェブサービスで1発当てる」なんて言ってないで、誰かを笑顔にするサービス作りに専念する

かつてどこかで言ってしまってたかもしれないが、もう「ウェブサービスで1発当てる」なんて恥ずかしい発言はしない。

まずちゃんとウェブサービスをスケールさせている人達の中に「1発当てた」なんて人は絶対に居ない。それは不断の努力と度重なる失敗に続く失敗の中で改善を繰り返して到達したのは明らかだ。それを端から眺めて「俺も1発当たらないかなー」なんて、そうして本気でウェブサービスに取り組んでいる方達に対してあまりにも失礼だ。

だいたいそういう発言が出てくる発想そのものがダメだし、そんなこと言ってるヤツが本当に当てたところを見たこともない。

株式会社ピケの renさんの投稿を読むとウェブサービスをスケールさせるための覚悟が読み取れる。

note.mu
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もう「1発当てる」とか言ってるショボい発想とrenさんの活動とはまったく異なることが分かる。ひたむきに「人が欲しがるモノはなにか」を問い続けてそれをアプリに落とし込む姿勢にレベルは違えど同じ開発者として心が打たれる。こういう人を「輝いてる人」と言うのだろう。人の輝きはページビューやアプリのバリエーション金額なんかで測るもんではなく、その生きる姿勢だ。


今朝、電車に乗ってたら目の前にイバンカ・トランプみたいな金髪美女が座った。

で、そのイバンカがスマフォを見てクスっと笑った。一体ナニに対してイバンカが笑ったのかは知らない。でもその時「そうだ。俺もそういう誰かを笑顔にするサービスを作ろう」と思った。データベースをチューニングして何ms速くしたところで一体なんだというんだ。究極的には誰かを笑顔にしなければ、わざわざやる意味がない。それがイバンカである必要なんてないし、女である必要もない。別に私のウェブアプリのユーザーがむさ苦しいヲタクの男であっても大歓迎だ。ヲタク野郎好きだし。

この世のだれかをユーザーにして、その人をほんの少しでもいいから幸せにすること。笑顔を増やすこと。それはカンタンなことでは無いし、不断の努力と科学的な検証が何度も必要になる。誰の幸せにもならないんだったら、こんな大変なことまったくやる意味ねーな、と。

ということで「ウェブサービスで1発当てる」なんてボケたこと言ってないで、どんなに地味な作業が続いても誰かを笑顔にするサービス作りに専念することにした。
そして、願わくば私のウェブアプリで笑顔になったその「誰か」が美女ならもっといいぞぉおおおおーー!と思ったのでした。


この自分で作った目標達成サービスに自分で5000円賭けて「年末までに100投稿」ってやったんだけど、このままだと未達成っぽい。どなたかご興味あればぜひー。コメントでもご感想でもなんでもお待ちしています。

目標にお金を賭けて楽しく達成するウェブサイトを作った。その開発経緯とか

サイト名は「 mobet(モベット)」モは目標の「も」。ベットは「賭ける=懸ける」のbet。ドメインは語呂がよさげなので.gq(ジーキュー)にした。

www.mobet.gq

未達成の時だけ罰金が徴収される仕組み


ダイエット、語学習得、筋トレ、なんかは最初は「やるぞー」となっても3日坊主で終わるのが誰にでもある。そういう時はこのモベットに目標と懸けるお金を登録する。例えばこんなの。

目標の設定

ポイントは「不二子さんはダイエット目標に1000円を懸けて誓ってる」ところ。

で、期限日の12月31日までダイエットをがんばっていただく。

期限日が来ると。。。

期限日になると登録時に設定した判定者に向けてメールが送信される。判定者は友人とか家族とか、まー自分自身でもいいんだけど。例でいくとメールの内容はこんな感じ。


不二子のお母さまへ
今日がおたく不二子のダイエット目標の期限日です。ちゃんと目標は達成しましたか?
どちらかのリンクを押してください。

達成 未達成
お母さんが「達成」リンクを押した場合

よくやりましたね!罰金の引き落としはありません。

お母さんが「未達成」を押した場合

残念でした。賭け金の1000円が罰金として引き落とされる。


自分で決めた目標を自分の意思だけでやりとげる人なんてマレな訳ですよ。そんなに意思が強いわけじゃない。続けるには続くような仕組みが必要。そこでお金のパワーを使って、「今日もちゃんと英語の勉強しないと1ヶ月後に俺様の1万円が引き落とさせるじゃねーか!やらねばー!」とかすればいいでしょう、と。

1万円賭けたって大丈夫。あなたの硬い意思と目標達成によってお金が落ちることは無いはずだから。ポイントはこのサイトを使ってドキドキワクワクするような緊張感を演出すること。

使った技術

- Rails
- React + Redux
- GraphQL
- Stripe
- Netlify


もうこのところウェブアプリを作る時は全部このパターン。特にRails + GraphQL + React/Reduxの相性が良すぎてしばらく技術ポトフォリオはこのままでいいや、と思っている。

開発の経緯

ひとつ前に作ったのが「エンジニアの名言メーゲン
www.meigen.ga

ひとことで言えば、ツイッターカードを使ってこんなのを出すサイト。

このウェブサイト開発で学んだことと反省点が以下。

学んだこと

ツイッターカードの威力はスゲー。
ちょっとしたアプリでもそこにツイッターカードの拡散力を付加すれば思いの外、PVが稼げる。

反省点

儲からん。正直、公開する前から分かってたことだけど、改めて「儲からんなー」と感じた。
多少はPVがあってもエンジニア向けであったりするとそもそも広告はクリックされないし収益性は雀の涙。アドセンス広告を貼っておくってのはグーグル様の鵜飼いの”鵜”状態な訳で、それは決してグーグルが悪いのではなく、そんなプランしか考えてない自分が悪いんだな、と理解した。

そこで次のアプリは「ツイッターカードを使った課金アプリにしよう」と的を絞った。とにかく課金のノウハウが決定的に足りていなかったので強化することにした。

勤め先のスタートアップではインフラとバックエンドを担当しているので、イヤというほど課金周りを実装している。でもそういう会社のプロジェクトで実装して得られる知識って必ずしも個人開発に活かされる訳ではない。

当たり前だけど、会社で「課金システムを実装すること」と「個人でなにか課金できるウェブアプリをイチから考えて実装すること」は違う。

お金を払ってでも欲しいサービスって?

まずお金を払ってでも欲しいサービスを企画することが課題になった。
広告収益モデルにあるような「これは無料だから見てください。気が向いたら広告をクリック」とは明確に違う。で、mobetを作ったのだが、これが「お金を払ってでも欲しいレベル」に行き着いているのかは分からない。はっきりしているのは私は課金型アプリの経験をもっと積む必要があること。

値段の納得感

仮に課金サービスを思いついたとしても次の課題が値段になる。人は値段に納得しなければ買わない。さらに個人開発の場合は企業が提供するサービスと違って、そのプロダクトの質や値段設定について疑いの目で見られがちになる。
しかしmobetの値段設定に文句を言う人は居ないと思う。なぜならご自身で決めていただく値段だし、引き落としも目標に対する結果次第なのだから。

ウェブサイトから発するメッセージ

mobetのウェブサイトから発信するメッセージは100%ポジティブであることに努めた。サイトの収益モデル内容から「管理者のお前はユーザーの目標の未達成を望んでいるのか?」と聞かれても「いや、それは無い」と言い切れるようにした。

合理的な判断だと思っている。もし私が人の目標を応援せずに金儲けだけを考えるようなサイトにしてしまったら、そんなネガティブな発想を持つサイトには誰に寄り付かなくなる。ユーザーはウェブサイトから放たれるメッセージにとても敏感だ。無理にカッコつけていても、わずか数秒で見抜いてしまうぐらいにユーザーは敏感だしある意味、サイト作成者が気付かないことまで見抜く力がユーザーにはある。

なのでmobetはどこまでも「ユーザーがハラハラドキドキ楽しく目標に向かうにはどうすればいいのか?」を考え続けた。掲載する写真、キャッチコピー、サイト内にあるちょっとした文言、全てに対してこの考え方を中心にした。

公開前にご協力いただいた皆様へ

このアプリの公開前にユーザーテストやらアドバイスに多くの方に手伝っていただいた。とても重要なフィードバックやアドバイスをお送りいただいた。ほとんどは閉じた場でのアドバイスだったし、フィードバックも言いたい放題言って欲しかったので匿名性にした。なので**さんありがとー!ってできないけれど、皆さん感謝してます。


オレも入れたぁああああー!

開発した私も自分の目標を入れた。これ。

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自分で作っといてなんだけど入れた瞬間「オレの5000円が。。。やべー!」となってしまった。普通に自分のクレジットカード番号を入れてるし、もう後戻りはできない。期限は12月31日まで。

ぜひ皆さんもよければご一緒にどうぞ。賭け金は100円から可能です。他の方が入れた目標への応援メッセージもじゃんじゃん入れてあげてください。

他にもmobetに関するご感想ご意見をお待ちしています。


www.mobet.gq