ベルリンのITスタートアップで働くジャバ・ザ・ハットリの日記

日本→シンガポール→ベルリンへと流れ着いたソフトウェアエンジニアのブログ

エンジニアとして世界へ参加することが夢とか悲願ってなにそれ?「普通だぞ」とだけ言いたい

これはエンジニアに限った話ではない。それがスポーツであれ芸術であれ誰かが「世界」へ参加することを悲願や夢、冒険に置き換えて表現する言説がある。そういう発想は閉鎖的で不利益だし、そもそもそんな昭和みたいな根性論とそれを堂々と語る人たちは無視するに限る、という話。

私が初めて家族と共に海外に出ようと計画した際に精神論や根性論をかざす人によく出くわした。「しっかりしろよ。家族も居るのにそんなテキトーな考え方じゃダメだろ」「本気でやりきる心構えができてるのか?」とかだ。きっと彼らは私のことを思ってのアドバイスだったのだろうが、今にして思うと「なんの役にも立たなかったな」というのが正直な気持ちだ。またそういうアドバイスはウェブ上でも少なからず目にする。

「**という国に行った時にこんな大変なことがあったのアタシ。でもそこは持ち前のポジティブ思考で乗り切りました!海外に出るにはこの思考が大切。ポジティブ。ポジティブぅううー!」みたいな記事だ。

これらの情報からは海外移住において一体何が必要なのかよく読み取れないし、「ポジティブ思考じゃなきゃダメなのかよ?」と不安をあおるだけだ。はじめて海外に出ようとする際にはどうしても情報の非対称性が出てしまう。日本にはあまり海外移住の生情報にアクセスする手段が無く、また海外から発信という名目で玉石混交で拡散された情報を手に取ってしまう。そうすると初の海外移住に対する不安と情報の少なさから、普段だったらそんなに騙されない人もそういう根性論を真に受けてしまいがちになる。

私は幸運にも海外移住してエンジニアとして働き出した際に周りの多国籍な同僚が揃いも揃って海外移住経験が豊富な人たちとなった。私にしても日本→シンガポール→ドイツのベルリン、という移住経験を持っているのだが、世界各国から集まった多国籍な同僚達の経験はそれ以上だ。何度も海を超えて国境を超えて自分に合ういい国と職場を転々としているスタイルを誰もが実践していた。

そんな多国籍エンジニア達を見ていて「みんな根性があるなー」とはまったく思わない。はっきり言って普通の人たちだ。何も特別なことはないし、彼らの発言からも「海外移住には精神力が必要だぁー」なんて聞いたこともない。

そんな彼らの態度は現代のITエンジニアにとって世界の都市を移動して好きな会社で好きなプロジェクトを自ら選び、人生を設計することは「普通のこと」であって、それを支えるのは根性とか気持ちとか精神ではなく、ただひたすらに「技術と語学」であることを私に示し続けた。
彼らが私に「おいおい聞けよ。これから大事なのは技術と語学であってだな」なんて説教臭いことをしてくる訳がない。言ってることなんて「どこどこの国の女の子がやたらセクシーだ」とか「どこの飯がうまい」とかそんなレベルだ。
それでも彼らの国境を気にしない態度と発言とそこから読み取れる人生哲学が今まで感じたことの無い「開放感」を感じさせてくれた。

エンジニアの海外転職になるとやれアメリカの年収中央値は年収1200万だとか、ヨーロッパでは残業無しでワークライフバランスが、と語られることが多い。もちろんそういったメリットもあるのだが、それだけではなくこの「開放感」というのはお金には変えられない価値を感じている。

この開放感はどんなに偉い人に「これからのグローバル時代においてぇええー!」と語られても感じることなんてできない。
国境を超えることが自然になった人たちの輪の中でリラックスしていろんな国の事情を話した時に感じられるのだ。だいたい誰も自分自身が特別なことをしているなんて思ってもいない。ただ人生を楽しんでいるだけだ。そういう国境という概念や極端な会社の帰属意識の無いところに「なんか気に入ったから集まった人たちの集団」だった。そんな国籍も髪の色、肌の色、母国語もなにもかもが異なるエンジニア集団の共通点は「技術」を持っていることと英語をはじめとする「語学力」があること。それだけ。

私はなにも誰でも海外移住できるよ、なんて気楽なことを言うつもりはない。キーになるのは「技術と語学」であって現状によっては取得が難しいこともあるだろう。だいたいどちらの要素もこれで十分なんて終わりはない。技術は日々更新されてエンジニアである以上はキャッチアップしなければならないし、語学にしてもどんなに達者になっても終わりはない。

ただそこでやみくもに精神論を語るよりもこうして「海外移住を目指しているのですね?だったら必要なのはA、B、Cです。そのためにはまずAを。。。」といったアプローチ方法でなければ目指すべきゴールに近づかないのだ。もっともらしく根性論を語る人は実は有用な情報を提供できるだけのモノが何も無いから、場当たり的な精神論に始終してしまうのだろう。そういうのは放っとけばいい。

特に海外移住においては具体的で有用な情報を選別して取得することをおすすめする。このブログの結論はいつも同じだが、エンジニアの海外移住でキーになるのは「技術と語学」。この2つがあればなんとでもなる。この2つが無ければなんともならない。
そしてこれらは根性論を語る人が言うほど難しくはないはずだ。

「技術と語学」にどれぐらいのレベルの取得が望ましいかとか、ビザを得る方法は本ブログの他記事をご参照ください。

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