ベルリンのITスタートアップで働くジャバ・ザ・ハットリの日記

日本→シンガポール→ベルリンへと流れ着いたソフトウェアエンジニアのブログ

次世代スマフォのあり方を再定義したAmazonのFireタブレット

移転しました。

Amazonの激安Fireタブレットを買ってしばらく経ったのでそのレビューを書いた。

仕事がら常に最新のスマフォに触れている。いつもデスクにはiPhone4から最新のiPhone6sまでの歴代機とAndroidがそれぞれのバージョンと主要メーカーのがデバッグ機として置いてある。それだけのスマフォを毎日ゴチャゴチャ触ってデバッグして仕事してたら、それぞれの端末の特徴なりそれを作った会社のスマフォに対する考え方などが把握できてくる。

Fireタブレットなんて普通に見たら「とにかく安いタブレット」で、最新のiPhoneやiPadに比べればかなり見劣りする。
しかしたくさんの機器に触れているエンジニア目線で見ても「コレにはなにかがあるのかも?」と心を離さない変な感じがずっとあった。なので試しに買ってみた。

Fire タブレット 8GB、ブラック

Fire タブレット 8GB、ブラック


使って気が付いたのはFireタブレットはもう次世代スマフォのあり方を再定義してしまっている、ということ。

初代iPhoneからiPhone4sまで、つまりステーブ・ジョブズが存命の時代には確実に「新しいスマフォに対するトキメキ」があった。新しいのが出るたびにそのデザインと新機能にいちいち興奮して「次のは○○って新機能が入るらしいぞ!」などと言っていた。WWDCなんて毎回リアルタイムでチェックして、その後も何度も見返してジョブズのプレゼンのセリフとか暗記してしまうレベルだった。

それから時が経って今となっては次の新しいiPhoneがどうであろうか、正直どっちでも良くなってきた。WWDCも要点だけウェブでチェックして終わり。

iPhoneやスマフォはほとんど全ての人に行き渡ってコモディティ化したのだ。イチイチその機能やスペックを論じる時代では無くなり、その代わりにユーザーの関心が「そのスマフォを何に使うか?」に移行した。

そこで出てきたAmazonがFireタブレットを通して訴えるメッセージが極めて痛快で気持ちがいい。そのメッセージとは

「スペックは絞って端末代は究極の低価格でいい。その代わりAmazonプライムが提供する充実のコンテンツを存分に楽しんでくれ!」だ。

プライム会員になった場合、プライムビデオを通してそこにある映画はダウンロードし放題。音楽もプライムミュージックを通してダウンロードし放題。Kindle本も月1冊無料でダウンロード可能。

少し前まで制限されていたマイクロSDカードも今ではコンテンツを入れられるようになって125Gまで容量増やせるし、Google Playも入れればAndroidアプリもインストールし放題。なんかアマゾンの無敵感が半端ない。
Fireタブレットを手にしてから、生活が変わった。やはり映画やドキュメンタリーなんかのしっかり考えて作られた映像コンテンツに接すると生活の質が濃くなる。

今までiPhoneを使ってやっていたことと言えば各種のSNSの投稿をながめたり、ニュースをチェックしたり、地図を使ったりとその程度。良質の映画やドキュメンタリーをまるまる1本iPhoneで観る、なんてことは私はしなかった。いくらiTuneで映画を買うかレンタルすればiPhoneでも観れますよ、と言われても何かが違う。
そのレンタル料を払って、映画をiPhoneの小さな画面で観るのか?という迷いがあった。

ところがFireタブレットは違う。「無料だしどんどんダンロードして観てみてね(ハート)」と言われるのだ。次に観るつもりの映画やドキュメンタリーは常に5,6本ダウンロードして入っている状態だ。これでいつでもどこでも映画が視聴できる。しかもサイズは7インチでちょうど観やすい。画質も予想外に良好でアマゾンがそのためだけに作った意気込みを感じる。
生活における観る映像、聴く音楽、読む本の全てがアマゾンに囲い込まれてしまった。もしこれに多額の料金がかかるのなら考え直すが、ここまで楽しんで年間3900円、月にするとたったの325円。
月々たったの325円でこんなに充実したコンテンツを提供している会社を他には知らない。アマゾン恐るべし。
もうアマゾン無しでは生きていけない。

今までスマフォの新機能に一喜一憂して、iPhoneを高額な2年縛り契約購入とかやって、結局それでやることと言えばツイッターのつぶやきを眺めるだけ、とか一体自分は何をしていたんだ、とふと思ってしまう。

次世代スマフォによってデザインされたユーザー体験というのはもう充実したコンテンツとセットでなければ成り立たない時代になったことをFireタブレットを持って実感できた。正直これは説明されても感覚的なところは分からないような気がする。持ってみてはじめて体感できる感覚だった。

Fire タブレット 8GB、ブラック

Fire タブレット 8GB、ブラック

tango-ruby.hatenablog.com

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