ベルリンのITスタートアップで働くジャバ・ザ・ハットリの日記

日本→シンガポール→ベルリンへと流れ着いたソフトウェアエンジニアのブログ

特殊文字の英語表現は英語圏の職場ではよく使うけど、普通の英語学習では出てこないので対策しておくべし

特殊文字の英語表現は勉強して覚えたってよりも、シンガポールで働き出して職場の同僚が何度も話すのを聞いて自然に覚えた。最初の頃はその辺りが慣れていなくて「『#』って入れて」言いたいのにどう表現すれば分からないから、キーボードに手を伸ばして「これだよ」とかやってた。とにかく日本で普通に英語の勉強していただけではこの「特殊文字の英語表現」なんてあんまり学ぶ機会がない。英語圏の職場では毎日使ってるし、転職面接の際にも出てくるのでここには対策が必要ですよ、と。

で、やることといっても単純でWikipediaなんかにある特殊文字表とにらめっこして覚えるだけ。こういうのすごい実践的なのに学校の英語の授業とか英会話では「ハウアーユー」とかばっかりやってて教えてもらえないのはなぜなんだ?

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以前に韓国から求人応募していただいた人と遠隔で技術面談をした。こちらからは私とアメリカ人エンジニアのAとインド人エンジニアのKの3人が参加した。スカイプで画面共有をしてコードレビューみたいな面談形式でやった。韓国に居る応募者のエディタにコードを出してもらってその画面を共有しながら、あれこれと話しあっていた。その応募者がコードに入れたURLに間違いがあってKが「そこAmpersandが抜けてるよ」と優しく指摘した。
でもなんかその応募者は分かってない様子で「え?、なんのことですか?ここですかね?」とエディタのカーソルを見当違いの場所に持っていってた。「いやいや違うよ。そこじゃなくてURLのAmpersandなんだけど」とかゴチャゴチャやってたら、なんか要領を得ないことからちょっとイラついたAまで参加してきて「だからAmpersandだって!」とかデカい声で言い出す始末だった。
私が助け船をだして「If文とかの中にAND条件に使う記号があるでしょう。&とかやってそれがAmpersandなんだよね」と言ってあげて、ようやく分かってもらえたことがあった。こういうのは非ネイティブである私の方が英語ネイティブのAやKよりも気持ちが汲みとってあげられるのだ。

それにしてもそんな&ひとつにツマってたら面談にならないので、英語圏のエンジニア職に転職するならそこは十分に対策を取っておいた方がいいと思う。

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List of Unicode characters - Wikipedia, the free encyclopediaより


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履歴書の技術欄にRailsとかのフレームワークを書くならせめて自分のGitHubアカウントにフォークしとけば多少なりとも印象あがりまっせという話

香港人の若くて可愛いインターンのJ(男)が「就職活動する時になんかいい方法ありますか?」と聞いてきて、その時なにげに答えた内容がまーまーマシな回答だったな、と思ったのでここにも書くことにした。

それは「もし履歴書の技術欄にRailsって書くなら、ただの飾りでもいいからGitHubアカウントにRailsのリポジトリーをフォークしておくべし」ということ。

カワイイJ(男)は同じビルに入っているとなりの会社のインターンで、その会社でJはRailsアプリのコードを書いていた。私は別に男に対して性的興味は一切ないのだが、きっとJを見たらどんな男でも「カワイイ」と言ってしまうような奴だった。Jは不幸にして香港にて男として生まれたが、もしアレが女だったら女優にでもなってただろう。まーそれはどうでもいい。

そのJに「Railsの中身のコードを読んだりするか?」と聞いたら「読んだことは無い」と言った。「Railsのコードを読むのはとっても勉強になるよ」とアドバイスするつもりだったけど、それだけだと直球すぎてあまりに面白くない。その代わりに言ったのが「とりあえずフォークだけでもしておけば」だった。

まず大前提として言えることはRailsのコードはレベルが高いがその分、読めば読むほど気付きがあるし勉強にもなる。なんと言ってもそのコード書いてる奴がDHHとはじめとしてスゲーRailsコミッターのエンジニア達だ。彼らのマナの仕事ぶりが好きなだけ眺められるホントに素晴らしい機会だ。

それにフレームワークを使うだけで、その中身は深追いしないというのはエンジニアの姿勢としていただけない。使ってるモノの中身ぐらい多少は把握しておけよ、と。そうは言ってもRailsのコードは巨大で中身を全部理解することなんてほぼ無理。

ところがどんなエンジニアであっても最初の第一歩はフォークから始まる。フォークして自分のところにコードを入れて読むのだ。別にクローンして読んでもいいけど、それだと就職の時に応募した会社の人がJのGitHubアカウントを見ても跡が残ってないし分からない。
フォークだけでもしておけば「おーこいつはRailsをフォークしてコードを読んでるんだな」と思わせることができる。

そうやってカモフラージュ的に置いておけば、いつか気が向いた時に本当に読むことになるかもしれないし、いいことだと思うよ、とJに言った。特に新人エンジニアの皆様にオススメの第一歩は「飾りだけでもOKなのでまずはフォーク!」。

一応GitHubに不慣れな方向けにフォークの方法を書いておいた。


1. Railsのリポジトリーのページへ行く
GitHub - rails/rails: Ruby on Rails

2. 右上にあるForkボタンを押す。
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3.すると自分のアカウントにRailsが入ってくる。
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たったこれだけのことで無味乾燥だったGitHubアカウントが多少は豪華に見える。

どんなエンジニアでもこうした小手先のフォークから始まって、本当に少しづつコードを読む習慣が付いて成長していくのだと思う。

本気でコードリーディングする人のために書いた記事がこちら。
tango-ruby.hatenablog.com
これ系の記事にそれなりにニーズがあるなら、しばらくはRailsのコードリーディングだけに特化した記事を書いてもいいな、と考え中。


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ボスの評価をあんまり気にしてないシンガポールで働く多国籍なエンジニア達が気にしてること

シンガポールで働く多国籍なエンジニア達はボスの評価をあんまり気にしてないけど、その代わりにその何百倍も気にしていることがありますよ、という話。

先日オフィスで仕事している時に「ワぁあああー!」という声がして、ドタっとなにかが落ちる音がした。なんだ?と思って見てみるとガラス扉の向こうでうちのCEOのアメリカ人ボスが業者が運んでいるペットボトルの束とぶつかってコケていた。腹の突き出た肥満体型のボスが子供みたいに床に転がって、その上に次々に荷台に乗ってたペットボトルがボスの腹の上に落ちてきていた。あまりに傑作なコケ方でその場にいたエンジニア達みんなで指を指して笑った。こっちはガラス扉の内側でガラスの向こう側を見てると、動物園で珍獣の面白い様子を観察するようで大いに楽しめた。ボスの醜態をiPhoneで写真に撮る奴まで居た。

ただそれだけの話だけど、ここに雇用をめぐる文化背景を感じた。

もしこれと同じことが松下電器の松下幸之助氏が存命中に社内で最高に面白いコケ方をしたらどうなっただろう。社内ではほとんど神格化された松下氏のことだ。きっと周りの社員達がどんなに面白くても笑いを噛み殺して「社長!大丈夫ですか?お怪我はございませんか?」と言って松下氏のそばにかけより、こぼれ落ちてくるペットボトルを社員達で手分けをして片付けていたように思う。間違っても偉大なる幸之助氏の醜態を写真に撮る奴なんて居なかっただろう。

別にこちらのエンジニア達が困っている人を助けない非情な連中だとか、うちのボスがみんなに嫌われていて誰にも助けてもらえない、とかではない。もしボスが本当にひどい怪我をしていたら助けただろう。あの時は怪我も無く、ただただ面白いコケ方だっただけだ。それに出身国の文化的背景とかも一切感じない。なぜならそうしてゲラゲラ笑っていたエンジニア達の出身国はヨーロッパ、北米、南米、アジアから集まる多国籍なエンジニア集団だったからだ。共通するのはみんなシンガポールのスタートアップでエンジニアとして働いていること、だけだ。

こちらのエンジニア達の頭の中には雇用主であるボスに気に入られようとする発想がほとんど見受けられない。その理由はこの国にある高い雇用の流動性が機縁している。誰でも人間だし、自分にメリットがあればそうするに決まってる。ぶっちゃけて言ってしまえば、ボスに気に入られたってそのメリットが少ないのだ。どんな上司であってもいつかは他の会社へ移るし、自分だって明日はどこに転職するか分からない。コロコロ変わる上司にいちいちコビを売っても意味が無いのだ。その代わりにどんな時でも頼りになるのは「自分の技術」になる。

上司に対して気を使わない代わりにこちらのエンジニア達は自分の技術価値に対しては大変に気を使っている。タスクの割り振りの際にも「そんなタスクをオレ様が請け負っても技術的成長が見込めないからやらんぞ!」とか、頼んでもいないのに「その**の技術を使ったタスクはオレがやる。他の奴は手を出すな。前からそれを身に付けたかったんだ。」と言ってくる。
そうやって自分の技術価値を日々高めていかないと、給料は上がらないし有利な転職ができなくなるからだ。自分の技術価値と給料にはハッキリとした相関があって、技術がある奴ほど稼ぐ。この環境下では「上司に気に入られてるからいいポジションに居る」とかほぼ不可能だと感じる。

これはこれで「デキる奴にだけカネが集まる」「デキない人は即クビ」という厳しい側面もある。それでもエンジニアにとっては変な人間関係のストレス無く技術に専念できるいい環境だと思う。「技術に専念できる」というより「専念しなければ生きていけない」という表現の方が正しいのかもしれない。

 但しこれはスタートアップのエンジニア職をめぐる環境についての個人的意見。金融系とかの非エンジニア職でエグゼクティブに近くなれば日本以上の社内営業が必要と聞く。上司へのコビの売り方も強烈らしい。

要は人は環境に合わせて、考え方も順応するんだなー、と。そして私自身はこの「技術に集中せざるを得ない英語圏のスタートアップの環境」がとても気に入っている。

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