ベルリンのITスタートアップで働くジャバ・ザ・ハットリの日記

日本→シンガポール→ベルリンへと流れ着いたソフトウェアエンジニアのブログ

エンジニアとして優秀な奴が全部持っていって、後は残りカスすら無いという現状を直視する

あらかじめ言っておくと結論はなく、今までの考え方はちょっと間違っていたな、というだけの話。

エンジニアの世界にはやたら技術レベルの高い人が居て「こんな人にはかなわない」となることがある。そういう人と真っ向から勝負しても、負けるだけなので私なりにかつて考えたのは行動力でカバーしよう、と。

日本で働いていた頃、それはそれはエンジニアとしてすごいスキルの高い先輩達が居たのだが、彼らの弱点として感じたのは行動力がイマイチだな、と。天才であるがゆえにコミュニケーション能力が微妙だった。それと外に向かって行動することがあんまり見て取れなかった。近寄りがたい先輩だったし、そこまで知っていた訳ではないが、少なくとも海外のエンジニア達にもコネがあるようには見えなかった。

そこで私が考えたことはこうだ。
あんな先輩に技術力では追いつけない。でも私には英語力がある。海外にガンガン出まくって技術力の差を行動力でカバーしよう。そうすれば優秀な先輩と同じ土俵で戦うことなく、違った場所で活躍できるはずだ、と。

それでシンガポールにある日本人の居ないスタートアップで働き出した。最初の1年は確かに他の人とは違う感があって、なんとなく思惑通りになっていたように感じていた。が、しばらく経ってから「アレは間違ってたな」と悟った。

まず大前提として考えていた「優秀なエンジニアは行動力やコミュニケーション能力が足らん」という話。こんな根拠もデータも無い話を鵜呑みにしてる時点でダメ。

普通に考えれば、本当に優秀ならコミュニケーション能力も行動力もある。というか周りがそんな奴を放っておかない。

これはもうシンガポールに世界各国から集まる優秀なエンジニアを見ていてはっきりする。優秀な奴は英語が母国語ではなくてもネイティブ並によくできるし、持ち前の技術力を使って世界のいろんな都市を移住したり観てきてるし、そういう技術力の高い人はどこでもみんなが話したがるしコネも充実している。

技術力が優秀で人気者でジョークも達者なオモロい奴なら誰も放っておかない。

そういうデキスギ君みたいな連中と同じ土俵に立っているのがちょっとツラい。

私といえば英語は多少できるがネイティブ級じゃない。技術も多少できるが天才レベルではない。しょうもないアメリカン・ジョークなんて日本人のプライドにかけて絶対に言えない。というようなスペックだ。

ポジティブ教の偉い人は「他人と比較してはいけない!」「上を向け」「笑え!」「ポジティブだぁー!」とか言いそうだが、そういう科学的根拠の無い話ではちっとも腑に落ちない。だいたいポジテイブに考える際にでる脳内ドーパミンの量は遺伝として先天性で決まっている。

なんか話がズレた。

要は「幸か不幸かそういうやたら優秀なエンジニアと同じ土俵に立ってしまっている今の立ち位置から、どうにか生き延びるにはどうすればいいのか?」と戦略を考え中。

こうしてしょーもないブログ記事を書いている今現在でも世界各国から景気のいいシンガポールのスタートアップ目指してやたら優秀な奴が乗り込もうとしているのだろう。世の動きに合わせて自分の立ち位置も変えていかないと生きていけないのは分かっている。でも、どうやって?という疑問はいっこうに未解決のまま。

これは「努力」とか「もっと勉強せーよ」とかそういうレベルの問題とはちょっと違う気がする。
「目の前の仕事に集中してそこに全力投球!」ってのもいいけど、そういう近視眼的思考だけで全体が見えてなくて、知らん間に墓穴掘ってた、とかは避けたい。

冒頭に宣言した通り結論は無い。誰かすごい解決方法を知っていたら教えて欲しいぐらい。

とあえず今日もコード書くか。こういうヘタな戦略とか忘れて集中してコード書いてる時は楽しい。
 
 
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人種差別も宗教問題も独特のユーモアと鋭い視点で表現したエッセイ「No Land's Man」

実際の英会話において実用的に「使える本」に出会った。アメリカのテレビで活躍するコメディアンAasif Mandvi 氏のNo Land's Man。

No Land's Man

No Land's Man

著者のアシブ氏はインドのムンバイにムスリムの家庭で産まれ、少年期にイギリスへ移住し、十代にはアメリカのフロリダへ移住。またその後はニューヨークへ移り舞台俳優からキャリアをスタートさせて、テレビでも活躍するにいたった人物。
その生い立ちから多様なバックグラウンドを持ったこの人の独特のユーモアが軽快でとても面白いエッセイ集に仕上がっている。

人種差別や宗教の話題は重たいが、だからといって誰も口を塞いでまったく話題にも出さない訳ではない。特にシンガポールのような多国籍国家においては日常にありえる出来事なので、よく話題にもなる。
基本的に強烈な人種差別主義者になんて出会うことは無いし、あからさまに差別的な発言をする奴も居ない。ほとんどの人は「人種差別はあってはならない」と考える常識人ばかりだ。ところがだ。そんな常識人の心の中にもどこかで宗教や人種に対して気づかないうちに偏見の種を持っていたりする。
そんな微妙な心の持ちようを英語で表現する手段は私には無かった。しかしこの「No Land's Man」でアシブ氏が面白く語ることで「こういう風に表現すればいいのか」と感じた。それはプロのコメディアンでありかつアシブ氏にしかできない語り方だが「人種差別の話題なんてどう英語で言えばいいんだ?」となっている私からすればとても参考になった。
なによりそんな勉強モードで構えなくても、普通に読んでいても「プッ!」と笑ってしまうぐらいに面白い。

この本のプロモーションビデオがあるので、それを観れば本の雰囲気がつかめる。

www.youtube.com

ビデオの日本語訳(意訳)

f:id:tango_ruby:20160824003926p:plain:W400

アシブ(左)がドアをノックするとジャック(右)が出てくる。
アシブ「入っていい?」
ジャック「ああ、入れよ。ラップサンドあるよ。食う?」
アシブ「ありがと。でも今はいいよ。」
f:id:tango_ruby:20160824005121p:plain:W400
アシブ「本を書いたんだよ。この本の宣伝に協力してくれるか?」
ジャック「なに書いた?」
アシブ「自伝的なもんだな。知ってるとおり、オレはインドに生まれて、イギリスで育って、またアメリカにわたって。今こうしてるけど、ルーツはインド人でムスリムで。」
ジャック「え?え?今なんて言った?」
アシブ「オレはムスリムの家庭で、、、」
ジャック「ムスリム!イスラム教か!」
アシブ「ああ(引きぎみ)」
ジャック「じゃあ断食中か?!!」
アシブ「いや断食はしないよ」
ジャック「あー!!断食中のイスラム教徒にラップサンドなんか勧めちまったよオレ!」
アシブ「いやいいよ。そういうんじゃないし」
ジャック「なんてバカなんだオレ!!」
f:id:tango_ruby:20160824005422p:plain:W400
ジャック「お祈りするか?!」
アシブ「お祈り?」
ジャック「分かってる。俺たちは全ての宗教を尊重するし、偏見なんて持ってないからな!お祈りだな!」
アシブ「いや、お祈りしないよ」
ジャック「イスラム教だっらお祈りが重要だろ!お祈りするよな!!」
いきなり立って、入り口のドアへ行く
アシブ「おい、なにすんだよ?」
f:id:tango_ruby:20160824005911p:plain:W400
ジャック「みんな!アシブはイスラム教徒で今からお祈りが必要なんだ!!騒ぐんじゃねーぞ!!」
アシブ「やめてくれよ!」
 
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ワト(右)「この本に『昔マイケル・ジャクソンのものまねしてた』って書いてあったな」
アシブ(左)「ああ、そう。高校時代にな」
ワト「人種差別だろ」
アシブ「え?」
ワト「それ人種差別だ。なんでアフリカ系アメリカ人でもないお前がマイケル・ジャクソンのものまねなんてやってんだよ。バカにしてんのか」
アシブ「いやいや、あのマイケル・ジャクソンだぜ。ただのものまねだろ」
ワト「例えばオレがインド人のものまねをしてだな」
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どこからかターバンを出して、変なインド訛りでインド人のものまねをはじめる。

ワト「どうだった、これ?」
アシブ「差別的だな」
ワト「だろ」
アシブ「この本の宣伝は、、、」
ワト「しねーよ」
 
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変なイギリス人(左)「Englishってのはオレだろ。あなたじゃないわ。この本はイングリッシュじゃないわ」
アシブ「オレはイギリスで育ってな、、」
変なイギリス人「ホントか。イギリスのどこ?」
アシブ「ブラッドフォード」
変なイギリス人「ブラぁーードフぉーード?そんな場所ないわ」
アシブ「イギリスにある市の名前だ」
変なイギリス人「イギリスのパスポート持ってんのか?」
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アシブ「あー持ってるよ、ほら!」
変なイギリス人「フットボールは?」
アシブ「そんなもん今、持ってきてるわけねーだろ」
変なイギリス人「オレは持ってるぞ、ほら」
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変なイギリス人「イギリス人なら持ってるはずだ」
アシブ「そんなわけないだろ」
変なイギリス人「イギリスのパイは?」
アシブ「はぁ?」
変なイギリス人「パイだよ。オレは持ってるぞ、ほら」
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変なイギリス人「イギリス人ならいつも机の引き出しに入れてるはずだ」
アシブ「もういい!お前、狂ってるわ!!」
 
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本の「非」協賛者
 
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という感じで、ビデオでもなんとなくこの本のノリが伝わる。

アシブ氏の書く文章のユーモアのセンスはイギリス的でもアメリカ的でもインドでもないような感じでとっても気に入ってしまった。英語もカンタンで読みやすいのでオススメです。

No Land's Man

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5000件の解答者登録達成!ほとんどのエンジニアには解けるパズル1

ほとんどのエンジニアには解けるが、下位10%のダメなエンジニアにだけ解けないパズル?などというITパズルを作成して、それが解けたら解答者登録できる仕組みにしておいたら、8ヶ月かかってやっと5000件に到達した。

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「だからナニ?」と言われてもそれまでの話なんだけど。
作った本人としては5000件も解答の後にコメント登録いただいて、実はとても嬉しい。ただ嬉しい。それだけ。

しょうもないことのように見えて、実はこのような小さな個人プロジェクトが英語圏の転職対策だったりする訳です。

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