ベルリンのITスタートアップで働くジャバ・ザ・ハットリの日記

日本→シンガポール→ベルリンへと流れ着いたソフトウェアエンジニアのブログ

どんなに頭が良くても英語ができなければ賢いチンパンジー

英語ほど誰でも多少の労力で手に入って、お金も生活の質も劇的に向上させてくれる技術は他には無い。それなのに時々ウェブ上で見かけられる英語軽視の論説は一体なんなんだろう。

特に英語圏での海外暮らしは「どんなに頭が良くても英語ができなければ賢いチンパンジー」という現実に向き合わなければならない。「英語ができなくたって。。。」「英語なんかよりもずっと大切なことが。。。」などという言い訳にまったく意味が無い現実に向き合い続けることで見えてくるものもある。端的に言うと「英語の重要性」だ。これは強調しても強調しすぎることがない。

そしてこの傾向は例え日本に暮らしていたとしても広まっていくだろう。これからの若い世代にとって英語軽視の発想は害悪でしかないので、ひとつひとつ反論したい。

英語軽視その1)教育においては英語ではなく身体のバランスや創造力の育成を重視している。

誰が英語ができるようになると、身体のバランスを崩して、創造力が欠如するって言った?
身体のバランスなんて関連性が無さ過ぎて反論のしようがない。そんなモンが重要と思うのなら一輪車にでも乗って鍛えておいてくれ。だからといって英語を軽視するのは頭おかしい。
創造性については英語は創造性を加速させる。よく言われるように創造性とは新しい組み合わせのパターンだ。そのパターンを創るためには情報が要る。英語ができることで、昨今のほぼ英語フォーマットになっている世の中の情報を素早く仕入れることが可能になり、たくさんの情報があることで組み合わせパターンをより多く創出することができる。

英語軽視その2)英語ができてもバカはバカ。

おーそうかい。じゃあバカなりにせめて英語だけでもできた方がマシだろう。こうして「英語ができても。。。」と言ってなにか得でもあるんか?
人を揶揄する暇があるなら、英単語のひとつでも覚えたらどうかね。
こういう発想を持つ人には「賢いチンパンジー」の現実が見えていない。

英語軽視その3)日本に居るかぎり英語は要らない。

これからのグローバル資本主義社会で生きていく上では居住国に関係なく英語が必須になる。日本に在住している日本の人の仕事が外国に奪われる社会になるからだ。地元密着型の仕事であっても、その顧客ターゲット、従業員に外国籍の人が増えた際にいつまでも日本語だけでOkとはならない。
若い世代の場合、その人が一生を日本で暮らすという保証はどこにもない。とてもいい仕事が突然にマレーシアから来た、なんてことが誰の身にも起こる可能性がある。そんな話が来てないのは単に英語ができなくて、いい仕事の可能性を自ら踏み潰しているのかもしれない。

英語軽視その4)もうすぐ自動翻訳ができるから語学を勉強する意味ない。

その「もうすぐ」っていつなんだ?これを「3年以内だ」とか言うヤツが居たらそいつは完全な嘘つき。この分野の技術予想は誰にもできない。現実的には「ひょっとしたら来週かもしれないし、20年後かもしれない」というのが正確な解答になる。カナダの研究者チームがディープラーニングを実装したAIで革命を起こしたように、ブレークスルーがいつどこから出てくるかなんて誰にも予想できない。そんないつ来るかも分からない技術に賭けるのはリスクがデカすぎる。確実なのは今からあなたが英語を勉強すればスグに英語能力が手に入るということだ。

英語軽視その5)TOEICで高得点とっても英語なんて話せるようにならない。

その通り。もっと勉強しましょう。



こんなのにひとつひとつ反論しても大して意味も無さそうなので、この辺でやめておく。

最後にひとつ言いたいのはITエンジニアの場合について。しょうもない理屈はどーでもいいから、カネの話をしたい。
ITエンジニアに英語というスキルを加えるだけで、収入が上がる。英語圏移住とセットにすれば爆上がりと言ってもいい。英語というのはIT系の新しい技術とかプログラミング言語をマスターするなんてことよりもよほどレバレッジが効いていて効果バツグンなのだ。ITエンジニアで英語ができないまま放っておくなんて、自らのチャンスをドブに捨てているようなモノ。

常に日本語でググって調べ物をしていたとしたら、その手を止めて英語学習に時間を割り当ててみるのはいかがだろうか。変にカッコつけて「これからのエンジニアというものはー」なんて理想論の話なんかじゃなくて、単にカネを得るためとして。英語ほど費用対効果の高いモノは他には無いのだから。

tango-ruby.hatenablog.com
tango-ruby.hatenablog.com


tango-ruby.hatenablog.com

tango-ruby.hatenablog.com
tango-ruby.hatenablog.com

tango-ruby.hatenablog.com

「海外移住でもしてみようかなー?」と思ったら参考にすべきサイトは日本語ブログではなく、統計サイト

こんなこと書くとブログ書いてる本人の自己否定にも繋がるのだが、もし「海外移住でもしてみようかなー?」なんて考えていたら、本当に実用的な参考サイトは統計サイトですよ、という話。

エンジニア気質もあって、数字が入っていない話はあまり気に留めていない。
「ウェブサイトのレスポンスが遅いような気がします」なんて言うヤツの相手はしないが、「変更前のサイトレスポンスは200msだったのが、変更後は3000msになってます」はしっかり対応しなければならない。

人生にまーまー影響する海外移住となるとなおのこと。**という都市は住みにくい、もしくは住みやすいってブログに書いてあっても「それ単なるおめーの意見だから」となってしまう。その人のスキルやら家族構成、状況は千差万別で、海外都市の中で万人にピッタリの都市なんてある訳がない。あるのは「あなたにとっていい都市」だけだ。そこで横断的に調査された統計資料の数字を元に考えてみることをおすすめしたい。

実際に私が海外移住にあたって検討するのはどこかに書き散らした日本語ブログなんかではなく、こうした統計資料のみと言ってもいい。
統計サイトの中でお気に入りのひとつはこちらのTeleport。

https://teleport.org/

f:id:tango_ruby:20171128005922p:plain

ウェブサイトのキャッチコピーが「Move to your best place to live and work(あなたにとって住むにも働くにも一番の都市に行こう)」と。

サイトがやってることは単純でそれぞれの都市間の職業別の給料やら住宅費、生活費を数字で割り出してそれを統合してまとめたサイト。言うのはカンタンだが、各国政府の発行する資料をいくら眺めてもなかなか都市間比較は難しかったりする。そこで頼りになるのがこのTeleportのようなサイトになる。

たとえばニューヨーク。

f:id:tango_ruby:20171128010039p:plain:w400

私のような田舎モンには特に憧れの強いニューヨーク!

このようにスタートアップ界隈やベンチャーキャピタル界隈は全200都市以上の中で1位。カルチャーもダントツの1位。さすがビッグアップル。この点にはまったく異論はない。これだけ見ると「ここに住んだらおもしろそー!」となる。
f:id:tango_ruby:20171128010340p:plain
f:id:tango_ruby:20171128010433p:plain
しかし住宅と生活に関してはこの有様。200都市の中でほぼ最低ライン。
f:id:tango_ruby:20171128010528p:plain

Costs of living in New York City are in the most expensive 10 percent of all 248 Teleport cities and the 5th most expensive in the United States. Average living expenses are significantly higher compared to other cities, especially in the housing market.

高い。高すぎる。ちょっといい給料もらったぐらいではまともに暮らせない。特に家族連れの場合は夫婦揃ってスゲーいい給料もらって、普通の暮らしができるレベル。

ちなみにソフトウェアエンジニアの給料。普通に東京の倍以上だが、そんなんじゃ足りない足りない。
f:id:tango_ruby:20171128010857p:plain:w500

ビザ取得の厳しい関門を乗り越えてニューヨークに行ったところで現地での生活はこんなに厳しいんだったらやってられねーな、となる。

しかし心配することなかれ、世界にはニューヨーク以外にもたくさんの都市があって、Teleportが情報提供してくれる。
f:id:tango_ruby:20171128011115p:plain:w300

じっくり見ていくと、ベルリンなんかのヨーロッパの都市ではソフトウェアエンジニアの給料がプロジェクトマネージャーの給料よりも高額だな、とかQAエンジニアというのは都市間の給料差がまーまー激しいなとかも分かってくる。

他にも治安、ビザ、教育、言語などもし海外移住するなら気にすることになる要素に関して、様々な切り口で統計が取られている。統計好きでかつ海外移住に興味のある人ならサイト内をいくら巡回しても興味が尽きないだろう。

海外なんてまったく行く気の無い方でもこのサイト見てたら「ちょっと引っ越ししてみようかな?」なんて思うのでないだろうか。数字を眺めているだけで、気分だけでも世界中が旅できる。

それと「東京が一番」とか「ニューヨークが一番」なんていうのがいかに浅い考えかも気付かされる。都市というのはひとつの指標だけで捉えられるモンなんかじゃない。多くの人が異なる目的を持って生活し、常に動き続けている凄まじい複雑系の塊だ。私はこうしたサイトを通じて、まだまだ自分がいかに世界を知らないか、を知ることになる。

Teleport、とにかくおすすめです。

https://teleport.org/

この記事を機に海外移住をお考えの方の本ブログへのアクセスが減って、みんな統計サイトの方に流れてしまったら切ない話だが、みんなが本当に有用な情報にアクセスされるなら、まーいいかな。

tango-ruby.hatenablog.com
tango-ruby.hatenablog.com
tango-ruby.hatenablog.com
tango-ruby.hatenablog.com
tango-ruby.hatenablog.com
tango-ruby.hatenablog.com